13生産地域の略図



         
       ドイツワインの生産地域

 1.アール(Ahr)

 2.ミッテルライン(Mittelrhein)

 3.モーゼル.ザール.ルーヴァー
   (Mosel−Saal−Ruwer)

 4.ラインガウ(Rheingau)

 5.ナーエ(Nahe)

 6. プファルツ(Pfalz)

 7.ラインヘッセン(Rheinhessen)

 8.フランケン(Franken)

 9.ヘシッシェ.ベルクシュトラーセ
   (Hessische Bergstrasse)

10.ヴュルテムベルク(Wurttemberg)

11.バーデン(Baden)

12.ザーレ.ウインストルート
   (Saale−Unstrut)

13.ザクセン(Sachsen)

 


ドイツワイン13生産地域の栽培面積



                          
                          (参考)

1.ドイツワイン13生産地域の中で生産面積が
第1位のラインヘッセンから第7位のラインガウ
  までは
日本にも輸出されれいる。しかし第9位のミッテルラインから第13位のザクセンまで
  の5地域はほとんどが地元で消費されてしまうが、日本でも希に出会うこともある。

2.日本でマドンナで知られているドイツワインはドイツではリープフラウミルヒ(聖母の乳)として
  愛されており、ラインヘッセンが発祥の地であるが、現在ではファルツ、ナーエ、ラインガウ
  の4地域で生産されている。
聖母教会で収穫されたブドウから造られたワインのみをマドンナ
  と称している。ブドウはミュラー.トゥウガル、シルヴァーナ、リースリング、ケルナーを70%
  以上使用すること。格付けはQbAとされている。

 

ドイツワイン全域のブドウ品種栽培面積




ミュラー.はミュラー.トゥルガウ、シュペートはシュペートブルグンダーの
ように長い名称は略して記載

  第1位リースリング(23,093ha)
  第2位ミュラー.トゥウガル(22,973ha)
  第3位シルヴァーナ(7,475ha)
  第4位ケルナー(7,465ha)と4位までは
白ワインであるが、
  第5位は
赤ワインシュペート.ブルグンダー(ピノ.ノワール)で7,453haである。

Ahr



ドイツの中では最北端に近い位置にあるのに、この地域だけ赤ワイン用の
栽培面積が圧倒的に多く80%を超える。
温度、日照量で赤ワイン用ブドウの栽培には不利であるのに不思議な現象でもある。
全量が地元で消費される。

Mittelrhein



ライン川沿い120キロメートルが生産地。
白ワイン用のリースリングが圧倒的に多い。
ほとんどが地元で消費される。

Mosel−Saal−Ruwer




モーゼル河とその支流であるザール河、ルーヴァー河からなっている。
特にザール河、ルーヴァー河流域が最高ワインの重要拠点といわれている。
最も多いリースリングは南に面した急斜面で河面の光量を多く受けて最も良く育つ。
日本で親しまれているツェラー.シュヴァルツェ.カッツ
(黒猫)はこの地方のQbAである。
また
ピースポート村の銘醸ワイン、ゴルトトレップピェン畑(黄金のしずく)もこの地域の
ワインとして有名である。



ローマのワイン船

ノイマーゲンのワイン船

古代ローマ人による2世紀頃の作品で
この地で発掘されたことにより、
ドイツワイン発祥の地とされている。

これは復元コピーで、現物はトリエール
博物館に保存してある。



黒猫の畑

テェラー.シュバルツカッツ
黒猫の畑

日本での知名度はマドンナと共に
ドイツワインの代表として広く知られている。
このためかドイツワインは全て甘口と
思われてしまった。



ブドウ畑1

クリュツセラーター.ブリューダーシャフト
の畑



ブドウ畑2

ブレマー.カールモルト畑
世界最高傾斜畑 約70度

傾斜45度の滑り台でも上がるのに
苦労した経験は子供の時に誰にでも
あると思う。

約70度は人間の感覚では垂直に近い。
ドイツワインはこんなに苦労して
生産されている。



ブドウ畑3

ベルンカステーラ.ドクターの畑

14世紀頃の由来の話であるが、
農夫が重病の大司教に、
「これを飲むと必ず病気が治癒する」
勧められ、飲んだら病気も忘れてしまった
ので、
「ドクター」として、モーゼルの
代表するワインとして知られるように
なった。

 



ブドウ畑4

ベルンカステラー・シュロスベルグの畑


モーゼル河の反射光に輝くなだらかな
急斜面の畑である。 

畑の上には、ドクター神話の
ランドスフート城が見える。
モーゼル河流域でも最も美しい風景
の街です



ランスフート城

ベルンカステラー.ドクターの逸話が
生まれた城

11世紀トリアの大司教により城築されたが
1692年にはフランス軍に破壊された。
塔と建物の一部が残っているだけ。

 



ネゴシアンのタンクローリー

ブドウジュースが運ばれる

Rheingau



 世界の白ワイン最高峰の心臓部ともいわれている。
リースリングが圧倒的に多い
生産の歴史には9世紀、カロリンガー朝のカール大帝の奨励の伝説の話がでてくる。
貴腐ワインやカビネット、シュペートレーゼ(遅摘み法)もこの地から
発生したといわれている。
ミュラー.トゥウガルはこの地でミュラー先生がリースリングを主体に
シルヴァーナを掛け合わせて開発された。



ブドウ畑1

シュロス.ヨハニスベルグの畑

ラインガウの最も代表的な大銘醸の畑。 
  
写真中央に北緯50度線が走っており、
ちょっと見えにくいが、中央に金色の看板が
50という文字を表している。



畑の門

シュタインベルガーの畑の門

シュタインベルガーとは
「石の山」の意味。
ヘッセン州営エルトヴィレ醸造所所有。



ブドウ畑2

シュタインベルガーの畑

これも
シュロス.ヨハニスベルグの畑と
並んで、ラインガウの大代表的な
畑である。



ブドウ畑3

シュタインベルガーの畑



壁のブドウの樹

シュタインベルガーのマウアーワイン

これには下記の伝説があります。

Mauerwein(マウアーヴァイン)(壁ワイン)の説明 

クロスター・エバーバッハという修道院は、その誕生がブルゴーニュの
クロ・ド・ウージョの兄弟ですから、その葡萄園
「シュタインベルガー」もまた
厚い土塊で囲まれていますので、
昼間の太陽熱をよく吸収して夜間熱気を徐々に
吐き出し、葡萄造りに良い影響を与える存在ですが、この土塀の南側斜面に
沿って葡萄を這わせると大変な熱量を1人占めする事が出来、
優れた葡萄造りが
可能となります。こうして造ったワインの事を
Mauerwein(マウアーヴァイン)
(壁ワイン)
というのですが、シュタインベルガーの畑では、ただでさえ
ドイツワインの最高峰を競う大ワインを作り出しているのに、その壁ワインと
云うことになれば、はかり知れぬほどの好条件となりましょう。

ただし壁面を這わせるだけの株数ですからいづれ大した量は望めませんが、
この壁面利用の権利が実は修道院跡の管理者ではなく、ホテルを営む
Ress家の所有権となっているのです。

したがって国家醸造所ではせっかくの土塀を利用する事がならず、
壁ワインはRess家によって独占されているのです。
Steinberger Mauerwein と銘柄のワインは中々入手困難な
ワインのひとつです。
現在この両者の間でその所有権をめぐり長い間継争中です。

Nahe



Rheinhessen



Pfalz





ラインスヴァイラ村−1



ラインスヴァイラ村−2



収穫風景 手摘み

トーマス.ジークリストさんの畑



収穫風景 

トーマス.ジークリストさんの畑

 



トーマス.ジークリストさんによる
エクスレ度(成熟度)のチェック

例えば果汁の比重が1.080なら
エクスレ度80となる。

QbAの認定を受けるには
エクスレ度50〜60必要。

人間の血液の比重も約この範囲。

 



熟成をまつワイン倉

Franken





フランケンのうヴユルツブルグ市の橋
ここでは聖キリアン像が見られる



フランケン地域の守護神 聖キリアン。

686年アイルランドからフランケン地域に
来た大僧正、ワイン産業を奨励指導する



フランケン地域の真ん中を
流れる雄大なマイン河



ランダーザッケラー村の
ゾンネンステュールの畑



ランダーザッケラー村
のブドウ畑



有名な観光地となっている
マリエンブルグ城。

Hessische Bergstrasse



Wurttemberg



Baden



Saale−Unstrut



Sachsen



参考書籍:ドイツワインアトラス「ドイツワイン13生産地域」